【情シス必見】IT資産管理の重要性とシステム導入検討時のポイント

 仕事を行う上で、PCやスマートフォンはもちろん、各種データベースやシステムを使うことが当たり前となっています。ITとビジネスの結びつきがますます強くなり、また管理も複雑になってきています。有形・無形に限らず、IT資産を適切に管理していくことの重要性について、本記事ではお伝えしていきます。

こんな人におすすめ

●会社でIT資産管理を担当しているが、どのようにすればいいか分からない
●IT資産管理の語句の意味や重要性が分からない
●効率的にIT資産管理を行いたい

IT資産管理とは何か

 IT資産管理(ITAM)とは、社内のパソコンやタブレット、サーバやソフトウェア等の資産が配備され、維持され、アップグレードされ、そして時が来れば廃棄されることを確実にするプロセスです。簡単に言えば、組織内の有形・無形の貴重なアイテムが追跡され、使用されていることを確認することです。どこで誰が資産を購入し、使い、そして廃棄するのか、その一連のプロセスを管理することを目的としています。IT資産管理を行うための第一歩としてIT資産管理の定義や目的を正しく理解することが大切です。

IT資産とは何か

 IT資産を簡単に定義すると、組織が価値を持つハードウェア、ソフトウェアシステム、または情報を指します。会社によって重要となるIT資産は異なりますが、SaaS系のビジネスであれば、ソフトウェアを構築、販売、サポートするためのコンピュータやソフトウェアライセンス、ソフトウェアをホストするためのサーバーなどが最も重要な資産となっています。

IT資産の管理プロセスについて

 IT資産の使用期間は限られています。IT資産から得られる価値を最大化するためには、IT資産のライフサイクルを積極的に管理しく必要があります。IT資産のライフサイクルは、一般的に、計画、調達、展開、保守、廃棄が含まれます。 IT資産管理の重要なポイントは、ライフサイクルのすべての段階でプロセスを適用し、総所有コストを把握して資産を適切に活用していくことにあります。

 以前は、IT部門は自分たちの領域内で資産を管理することができました。しかし現在では、企業の資産管理の対象は、IT部門が承認したハードウェアだけではありません。 サブスクリプションベースのソフトウェアや、従業員がツールをカスタマイズすることは、IT資産管理の新たな課題となっています。現代の働き方では、ITチームが柔軟に対応し、ビジネスに最適な形で資産管理プロセスを適応させることが必要です。

 様々なチームがそれぞれのニーズに最も適したツールを使って仕事をするようになると、資産管理は組織の全体的な戦略の中でさらに重要な役割を果たすようになります。全社的なリスクとコストを考え、導入するIT資産を提供していく必要があります。IT資産管理プロセスは、予算の最適化、ライフサイクル管理のサポート、および組織全体に影響を与える意思決定を行う際に、必要となる情報を生み出します。

IT資産管理の重要性

 ここからは、なぜIT資産管理を行っていく必要があるのか、重要性についてお伝えしていきます。

正しい情報源の提供

 IT資産は往々にして様々な場所で、様々な人によって管理されています。 一人の人間が資産を所有することはありませんし、情報を収集して一元管理するツールもないため、当然のことながら、混乱と不正確さが生じます。正しい情報が揃わないため、情報に基づいた意思決定が困難になります。 IT資産を管理するためだけに人を雇っている会社も存在します。

 このようなIT資産を管理するような作業はシステムが行うべきです。人工物の追跡、使用状況の監視、依存関係の把握に時間と頭脳を割く必要がなければ、IT部門の従業員は組織にとって最も重要なことにもっと集中することができます。 IT資産管理をシステマチックに効率的に実施することによって秩序をもたらし、ITチーム、経営陣、そして最終的には組織全体に正しい真実の情報源を提供します。

利用率の向上と無駄の排除

 IT資産管理をシステマチックに行うことで、情報が常に更新されるため、チームは無駄を省き、利用率を向上させることができます。また、不必要な購入を避け、ライセンスやサポートのコストを削減することで、コスト削減にもつながります。また、管理を強化することで、セキュリティポリシーや法的ポリシーへの準拠を強化し、リスクを低減することができます。コストと生産性にプラスの影響を与えることで、組織全体に利益をもたらします。

IT資産管理のメリット

●情報の最新化、誰がいつ何を使用しているか把握・管理できる
●ライセンスソフト等の不必要な購入を抑制することでコスト削減に
●管理を強化することでセキュリティ対策や法的ポリシーの準拠を強化

生産性の向上

 組織内のDX(デジタルトランスフォーメーション)によって組織の運営方法が変化する中、最新のIT資産管理はPCやマウスを追跡するだけではありません。チームはD信頼性を損なうことなく新しい機能やサービスを迅速に提供するために、資産管理のプロセスやツールが必要となっています。

 ガートナーは、レポート「Prepare Your IT Asset Management for 2020」の中で、プラットフォームやインフラサービスへの依存度が高まっていることから、効果的な資産管理を行うことで、「オンデマンドサービス」の利用を管理することができると述べています。コントロール、可視性、および責任の所在を明確にすることで、過剰な供給や使用していないのインスタンスなど、過剰な消費を抑え、不要なコストを回避することができます。

IT資産管理の重要性;まとめ

 IT資産管理は、変更管理、インシデント管理、問題管理などのITILプロセスのサポートに不可欠です。IT資産管理を適切に行うことで、組織全体がより革新的になり、より迅速に価値を提供できるようにします。適切なデータがあれば、チームは迅速に行動し、変更が起こる前にその影響を予測することができます。データへのアクセスを普及・促進することで、組織は競争力を高め、より迅速に価値を提供できるようになります。 現代のイノベーションのペースに追いつこうとしている組織は、ITデータの管理、追跡、マスター化について戦略的に取り組む必要があります

IT資産管理システム導入検討時のポイント

 IT資産管理システムを導入検討時のポイントをお伝えしていきます。

なぜIT資産管理システムが必要なのか

 IT資産管理システムのベンダーを検討する際には、まず、なぜ資産管理を改善する必要があるのかを評価することから始めます。ここでは、資産管理システムを導入する準備ができていることを示す一般的なポイントを紹介します。下記のような状態の場合には、ぜひIT資産管理システムの導入を検討してみてください。

コストを削減したい

 ソフトウェア、インフラ、プラットフォームなどのサービスへの依存度が高まる中、これらのサービスへの支出を最適化することがコスト削減の鍵となります。ガートナー社の調査によると、ソフトウェアライセンスを最適化するベスト・プラクティスを用いることで、「多くの企業がソフトウェアへの支出を最大30%削減できる」とのことです。 しかし、これを手作業で行うのは容易なことではありません。ガートナー社は、「複雑なライセンスを手作業で最適化するのは手間がかかり、専門的な知識が必要で、拡張性もありません。

 大企業であれば、SAM(ソフトウェア資産管理)ツールが必要です。SAMツールは、手動のプロセスを自動化、高速化、改善することができます。SAMツールは、手動の代替手段よりも高い配当を得ることができ、それ自体で費用を賄うことも可能です。

ポイント

大手企業では、SAM(ソフトウェア資産管理)ツールを用いることでコストメリットがある

エクセルでの管理

 エクセルでのスプレッドシートでの管理は、企業が所有物の追跡を始める際の最も一般的な方法の1つです。しかし、いつまでも正確な情報が得られると思いますか?そんなことはありません。スプレッドシートはすぐに不正確になったり、扱いにくくなったりします。大企業がスプレッドシートを使って資産を追跡している場合、「幽霊資産」、つまり総勘定元帳では支払いや会計処理をしているが、実際には存在しないものに膨大な費用がかかっている可能性もあります。

社内の変化のペースが早い

 今日、新しいヘッドセットが5台届きました。4人の社員がノートパソコンを盗まれました。来月には10台のプリンターがリース会社から新しいモデルに交換され、再来月には14台のノートパソコンが交換される。仕事の流れによって多種多様なIT資産が配備・運用・廃棄される場合は特に注意が必要であり、手作業の管理では抜け漏れが発生してしまいます。

「シャドーIT」が存在する

 アプリケーション、ライセンス、その他のIT資産が、IT資産管理担当者に知られることなく、「影」で購入、管理、使用されているケースが増えています。IT資産管理システムが管理することで、他部門とIT部門との連携を保ち、リスクや不要なコストを回避することができます。

 システムを使い、管理しているため、時期が来たら、資産管理に新しいアプローチを導入することで、どのソフトウェアが自社のニーズに最も適しているのかを明確にすることができます。資産目録を作成することが、何がどこにあるのか、そしてコストをよりよく理解するための最初のステップです。そこから、資産のライフサイクルをマッピングし、財務部門と一緒にコストを評価することが可能になります。

検討ポイントまとめ

 上記のような状況に社内が陥っている場合には、IT資産管理システムの導入をおすすめします。人の手作業ではなく、システマチックに維持・管理していくことで稼働削減だけではなく、コスト削減にも繋がります。

今後のIT資産管理について

 ITが進化し続け、重要なサービスがSaaSベンダーに移行し、ますますダイナミックになるクラウド環境の変化を追跡する必要がある中、IT資産管理も適応していくことが必要です。SaaS系のサービスと自社の既存システム・データとのコラボレーションを可能にし、サービスマネジメントの実践をサポートするツールを選ぶことが重要です。

 組織はそれぞれ異なります。例えば、企業内の複雑な依存関係をマッピングする必要があるかもしれません。また、リスクを軽減するために、ライセンスやコンプライアンス文書などの無形資産の記録を残したい場合もあるでしょう。また、コンピュータのインベントリを管理するだけのシンプルなものもあるでしょう。

 資産管理システムでは、ネットワーク上のすべてのIPベースのハードウェアを自動的に検出したり、オフィスのキッチンシンクに溜まった食器を洗浄したりすることができる、手軽で手頃な価格の統合ソリューションから、複雑で高額なソリューションまで、さまざまな種類があります。中小企業から大企業レベルのシステムでも、最も重要な検討事項は、自社に最適なシステムを選ぶかどうかです。

まとめ

 IT資産管理の重要性とシステム導入の検討ポイントについていかがだったでしょうか。ITとビジネスがより密接になり、IT資産は業務を行う上で、不可欠なものになっています。まずはIT資産管理の重要性を理解し、その上でシステム導入の検討を実施していくことが必要です。本記事がIT資産管理の知識を深める一助になれば幸いです。

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