本記事ではScrapboxをご紹介します。
Scrapboxはナレッジ共有ツールの一つです。みなさんも基本的には企業や大学のゼミなど何らかの組織に属しているかと思います。組織内で業務の進捗や知見を共有したいことがある時どのような形で行っていますでしょうか。また、個人でも勉強のアウトプットや読書記録などを残したいことがあるかもしれません。そんな時に選択肢の一つに挙がるのが今回ご紹介するScrapboxです。
以下, Scrapboxの機能や特徴をわかりやすく解説していきます。
- チーム内でナレッジ共有を効率よくしたい方
- 個人の勉強の記録やメモを残しておきたい方
Contents
基本的な特徴
全てのドキュメントが並列で掲載される
Scrapboxの一番の特徴は階層構造でない点です。従ってフォルダを作成→さらにフォルダを作成→ファイルを作成といった構造ではなく, 作成したプロジェクト内に作成したページが一覧で表示されます。
下記がScrapboxのプロジェクトのイメージになります。

https://scrapbox.io/help-jp/
このように一つのプロジェクトにさまざまなページが並列表示されます。それぞれ見出しが大きく表示されているので何についてのページなのかわかりやすいですね。
共同編集・自動保存
Scrapboxでは一つのページに複数人同時にログインできます。よって共同編集が可能であり, かつ自動保存もされます。議事録の管理であったり, 営業等の進捗をまとめることもできます。
イメージとしてはGoogleのスプレッドシートやドキュメントに近い形になります。
シンプルな記法
Scrapboxでは独自の記法を用います。Markdown記法に慣れている方にとって最初は戸惑うかもしれません。ただかなりシンプルなので, 少し使えばすぐに慣れると思います。記法についてはScrapboxの使い方で一部ご紹介します。
Scrapboxの機能
ここではScrapboxの各種機能をご紹介していきます。
双方向リンク機能
Scrapboxの特徴として階層構造ではないということは既にご説明しました。読者の中では全て並列に表示されるとジャンルごとに分類できず見づらいのではないか, といった疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。Scrapboxではリンク機能を用いてある程度整理することができます。
リンク機能はページ内に簡単に埋め込むことが可能です。方法は2種類, []でリンクさせたいワードを囲む, 「#」をつける, です。ハッシュタグはツイッターに似たイメージですね。同じリンクがついたページはページ下部に一覧表示されます。名前やキーワードをリンク化しておけばすぐに関連情報にアクセスできるのは便利ですね。
下記はScrapboxのヘルプページの一部です。
ページ内に「[関連ページリスト]」や「#FAQ」というリンクがあるので, 同様のリンクが記載されているページが表示されていることがわかります。
画像・動画の埋め込み
Scrapboxでは画像を直接ページにドラッグ&ドロップすることでアップロードされます。もちろん[]内にリンクを貼ることでも画像や動画がアップされます。
例として, Scrapbox開発者の増井俊之氏の動画を貼ってみます。Scrapbox内に[https://youtu.be/kScZmP2scV4]と記入してみるとこのように動画が表示されます。

とても簡単ですね。
ファイルのアップロード
Scrapboxではpdfやパワーポイントなど各種ファイルをアップすることも可能です。画像や動画のアップロードと手順は似ています。基本的にはページ内にドラッグ&ドロップするか, ページ内側面にあるメニューから選択可能です。また, アップされたファイルはクリックすればダウンロードすることができます。
ただし, 1ファイルあたり100MBまで, 1ユーザーあたり1GBまで, という制限があるので, 映像など大容量ファイルのアップには向かないでしょう。
Scrapboxの使い方
Scrapboxは少し特殊な記法を採用しています。例えばマークダウン記法では箇条書きをしたい場合, 「- (ハイフンと半角スペース)」で記載できますが, Scrapboxではスペースを入れるだけで箇条書きが可能です。ここではそうしたScrapboxの記入方法の一部を紹介します。ただ一番効率よく覚えるにはやはり自分で使ってみることが一番でしょう。
箇条書き
Scrapboxで最も頻繁に使う記法です。これだけは絶対に覚えておくといいでしょう。とは言ってもご紹介した通りただスペースを入力するだけでOKです。一度箇条書きを作ってしまえばあとはただエンターを押すだけで次の行にも箇条書きが作成されます。

数式
数式は [$ 数式 ] で反映されます。例えば, [$ f(x) = x^2]と打てば以下のように表示されます。数式の書き方はTexの記法に則っており, こちらのサイトなどを参考にしてみてください。

コード
ページ内にコードを埋め込むには code:言語名 でコードブロックが作成されます。例えばpythonであれば「code:python」と書くだけです。

アイコン
これは重要な記法ではないのですが個人的におもしろいと思ったので紹介します。プロフィール画像を自分のページに登録しておけば, 自身のプロフィール画像を文字と同じサイズで表示させることができます。コメント風に記述したい場合は役に立つかもしれません。
下記はScrapboxのロゴをアイコンにした場合のサンプルになります。

プランと料金
Scrapboxは個人利用やアカデミックなどの非営利目的での利用は人数制限なし, 無料, 容量無制限です。企業での利用などのビジネスプランでは料金や容量制限が発生しますのでその部分をご紹介します。
Business | Enterprise | |
容量 | 制限なし | 制限なし |
人数 | 制限なし | 制限なし(30人以上) |
月額料金 | 1,000円/人 (ただしプロジェクトを1つ追加するごとに 1,000円/月) | 要問い合わせ |
比較的シンプルな料金設定となっていますね。また, ビジネスプランでも100ページまでは無料なのでまずは気軽に試すこともできます。
まとめ
Scrapboxについての記事はいかがでしたでしょうか。
個人的に魅力に感じたのはページが並列表示されることです。これによってアクセスしたい情報が埋もれてしまったり, 見つからない, といった事態をある程度防ぐことができます。もしページ数が増えてしまってもリンクが作成できるので, 関連情報を簡単にまとめることができます。
ナレッジ共有ツールはScrapbox以外にも様々あり, ちょいするでは類似サービスのNotionについてもご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください(リンクは下記関連記事からどうぞ)
サービス導入の際には組織として(個人として)どういった機能が必要か, 予算はどれくらいかを考えながらセレクトするのが良いでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。